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神前式とは|和装の種類・費用・式の流れ

2023.6.20

和装を身に纏い、神社や専用の神殿で挙げる神前式は、チャペル式の結婚式とどのような部分が違うのでしょうか?
神前式を検討している人は、衣装のみならず、かかる費用や式の流れなど、より具体的な部分が気になるはずです。

そこでこのコラムでは、神前式に関する基本的な知識から、式当日の流れや費用などをご紹介します。

神前式とは?

日本の伝統的な結婚式のスタイルである神前式(しんぜんしき)
その歴史は古く、室町時代まで遡ります。神棚や仏壇のある「床の間」で盃事(さかずきごと)を交わす当時の武家の結婚式の形が普及し、明治時代まで引き継がれていきます。
そして、主に神社で行われる現在の神前式は、日比谷大神宮(現在の東京大神宮)で行われた大正天皇の御成婚が起源となっています。
神前式では、儀式を通して神さまにふたりの結婚を報告します。

神前式を行う会場

神前式は神社でするもの。そんなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
実は、神社だけでなく、ホテルや結婚式場にも神殿が備わっている場合もあります。
そこで神社と神殿、それぞれの魅力についてご紹介します。

神社で挙げる神前式

切り花や植物で会場を華やかに装飾する一般的な結婚式と違い、神社での神前式は、その土地にある、ありのままの自然がそのまま挙式の景観や演出となってくれるところです。
季節によって、異なる表情を見せてくれるのも大きな魅力です。
また、神前式が終わってからも、ふたりの記念日や、新年の初詣などの節目にお参りする場所を持つことができるのも神社が選ばれる要素となっているようです。

ホテルや挙式会場の神殿で挙げる神前式

ホテルや挙式会場の館内にある神殿は、雨予報でも問題なく挙げることができるのが大きなメリットです。
また、日々結婚式が行われている場所であることから、ゲスト対応にも慣れています。
ゲストも安心して参列しやすい環境が整っていると言えます。

神前式にかかる費用

神前式の費用である初穂料(はつほりょう)は、5~20万円程が相場となっています。
また、この初穂料以外にかかる費用は、衣装代や撮影代、神社や披露宴会場までの移動費などが挙げられます。
ただ、ホテルや結婚式会場の神殿で行う場合、チャペルで挙げる挙式と同様に「挙式料」がかかる場合もあるそうです。
会場に事前に確認することをおすすめします。

神前式の衣装

神前式で着る和装には、いくつか種類があります。
以下でそれぞれ確認していきましょう。

白無垢

白無垢は、和装の中でも最も格式高い正礼装です。
外側に羽織る打掛やその中に着る下掛、そして小物もすべて白で統一するのが特徴です。
現在では、綿帽子や角隠しと合わせる伝統的なスタイルだけでなく、洋髪とも組み合わせるなど、白無垢をモダンなコーディネートで楽しむ新婦もいるそうです。

色打掛

色打掛とは、名前の通り色鮮やかな打掛のことです。
また色のみならず、模様にも多種多様なものがあります。
和装の中でも華やかな婚礼衣装です。

引き振袖(大振袖)

引き振袖とは、江戸時代から昭和初期の代表的な婚礼衣装です。
女性が成人の時に着る一般的な振袖と比べると、袖が長く、なだらかなシルエットが特徴です。
また、帯の柄や結び方のバリエーションが豊富なのも引き振袖ならではです。
引き振袖は、後ろ姿も美しいのです。

神前式の基本的な流れ

チャペルでの挙式と同様に、神前式も儀式の決まった流れがあります。
式を挙げる神社によっても多少異なる場合もありますが、あまり聞きなれない言葉なので儀式の名前と内容を頭に入れておくという意味も含め、事前に確認しておけると良いでしょう。

(1)参進の儀(さんしんのぎ)

別名「花嫁行列」と呼ばれています。
神社に奉仕する神職と巫女の導きに続き、新郎新婦、両家の親、親族の順に本殿に向かいます。

(2)入場

新郎新婦に続き、両親、親族、その他参列者が本殿に入場します。
神前に向かって右側に新郎側親族、左側に新婦側親族が座ります。

(3)修祓の儀(しゅばつのぎ)

一同起立し、頭を下げ、神職の祓詞(はらいことば)で身を祓い清めます。

(4)祝詞奏上(のりとそうじょう)

神様に伝える言葉「祝詞(のりと)」を神職が読み上げます。
神さまにふたりの結婚を報告し、ふたりの末永い幸運を祈ります。

(5)三献の儀(さんこんのぎ)

「三々九度の盃」と呼ばれるこの儀式は、大中小の3つの盃を新郎新婦が交互に飲み交わし、夫婦の永遠の契りを結びます。

(6)誓詞奏上(せいしそうじょう)

新郎新婦が、ご神前で夫婦になることを誓う言葉「誓詞」を読み上げます。

(7)玉串奉奠(たまぐしほうてん)

ご神前に榊(さかき)の木の小枝に紙垂(しで)という白い紙を付けた「玉串」を奉納します。
神社によっては所作が異なる場合もありますが、神職や巫女が説明してくれます。

(8)指輪の交換

巫女から受け取った指輪を、お互いの薬指に指輪をはめます。

(9)神楽奉納(かぐらほうのう)

新郎新婦の門出を祝い、巫女が舞を奉納します。

(10)親族盃の儀

お神酒を3回、親族全員で飲みほします。
この儀式によって、両家が親族となります

(11)斎主挨拶

挙式が終了したことを神職が神さまに報告します。

(12)退場

神職、新郎新婦、仲人、親族、参列者の順で退室します。
「退下(たいげ)」とも言います。

さいごに

古くは室町時代から続いてきた神前式。
そんな伝統の一部に触れられるかと思うと、神前式がより魅力的に思えてきます。

とはいえ、儀式の名称や内容はあまり馴染みのないものばかりです。
神前式を検討中のカップルは、このコラムを参考に理解を深めてみてください。
結婚や出産を控えているカップルは、該当する制度がないか、一通り調べてみることをおすすめします。

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